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農産だより

バベルの塔

 10月の中旬ぐらいから天候は荒れ(2度の台風上陸もありましたね)、京都の生産者を始め、各地の農産物の出荷量が不足しています。極力お野菜の欠品を無くすように奔走しておりますが、どうしてもご用意が出来ずお客様にご迷惑をお掛けしてしまうことも。大変申し訳ございません。

 どうしても農薬・化学肥料を使用しない、自然にそくして栽培するという目的のなか、人の力ではなかなかコントロールできない状況にさらされることもあります。つまりリスクの大きい栽培といえます。

 本来であれば今頃沢山葉物野菜を出荷していただいていたはずの亀岡・平井國晴さんは、前の冬に積雪で大半のハウスを失いました。これまではハウス栽培で安定して葉物を出荷されていたのですが、露地栽培に今年から切り替わった矢先の長雨と台風。

 雨で弱っていた葉野菜は台風の強い風により深刻な被害を受けました。大変な状況下なのにいつも朗らかに平井さんはお電話をくださいます。出荷物が少なく自分も残念な気持ちもありますが、平井さんの苦労を思うと暗い顔してはいられないなぁ、と思います。

 また別の日、京都久御山の田中真弥さんの圃場見学もさせていただきました。遠くから見るお野菜たちは列を為して、それなりに綺麗に育っているように見えました。ただ、近くに寄ってよく見てみると、列は少し歯抜けな感じでまばらになり、いつもよりも育ちが悪いというのがよくわかりました。

 真弥さんもここ数年の異常気象の中、農薬を使用せず作るということが本当に難しくなってきたとおっしゃられていました。生産者の方々の苦労と、自分が尊敬している農家の方々の今の気持ちを思うと、より一つ一つの届けられたお野菜への感謝の気持ちを持って販売したいなと思います。

 話は少し変わりますが、先日大阪は中之島・国立国際美術館でブリューゲルの「バベルの塔」展覧会へ行ってきました(既に10月15日で終了しています)。

 バベルの塔の話は人類が塔を作り神に挑戦しようとしたことを、神がやめさせるために共通のことばを乱したとあります。自分たちが創造や共通理解を深め、前進していくためには言葉(コミュニケーション)が大切だということでしょう。

 今、自分たちの存在の大前提である自然の姿が変わり始め、その言葉以外のコミュニケーションの基軸となるものが崩れ始めているように思います。流動的な自然の動きを察知しコミュニケーションを図ることも大事ですが、何よりこれまで長年の歳月の中で創り出された「自然の豊かさ」という大前提を失わないよう、ライフスタイルを考えていかないとなぁと思います。。