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生産者日記

こころ野便り 農業について思う事 その⑧

宗谷岬から京都まで約1700kmを歩く。
それを想い付いたのには、冒険家植村直己の言葉が有った。
近代装備と大規模な登山隊による登山の有り方に疑問を抱いた植村は、単独での冒険に挑戦し始める。
「この頭とこの身体だけを使って何が出来るか挑戦してみたい。」とそんな事を言っていた。
有機農業への挑戦を考えていた私は、その言葉に感動した。
植村は、南極大陸徒歩縦断3000kmの冒険を計画しそれに先立ち3000kmと言う距離を体感する為に日本列島徒歩縦断の旅に出る。
「俺も知恵を絞って身体を使って一生懸命働いて農薬や化学肥料を使わない1人前の百姓になりたい。」
飛行機を使えば数時間他の乗り物でも1日あれば京都まで帰れる。
でもどうしてもその距離を体で感じたくなった。
感じなければならないと思うようになった。
旅の途中で断念する様な事が有れば、父の言う農業をしよう。
京都まで無事歩き通せたら自分の思う農業に挑戦させてもらおうと決めた。
除隊日は、9月末日と決まった。
北海道では、色付いた木々が、足早に葉を落とし始める季節だ。
買ったばかりのピックアップトラックは、弟に取りに来させ暫く北海道を巡り宗谷岬で一人下車する事にした。
そこから地図上に歩くルートを鉛筆でなぞり1日分ずつの予定を立て始めた。
もうじき冒険が始める。
根拠のない自信で心は高ぶっていた。
でも本当の冒険は、この旅の後に始まる

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