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生産者日記

こころ野便り 農業について思う事 その18

山形県に入った。海沿いを歩く。
その日は、雨と強風の中を歩く事になった。
合羽の上から荷物ごとポンチョを被り濡れるのを防いだ。
日本海の荒波は泡となり千切れて飛ばされて行った。
トンネルに差し掛かると物凄い勢いで風が抜けてきた。まるで風洞実験室の様だ。

短いトンネルで出口は見えているが全く前に進めない。
地形的に漏斗の様になっていたのだと思う。
初めて立ち往生した。
風影でポンチョを脱ぎ風の抵抗を少なくして少し風が弱まった隙にトンネルを通りぬけた。
その後も雨と強風は続き小さな水族館の入り口で雨宿りをしていた。

すると受付の女性が、中に入りなさいと声を掛けてくれた。
見学するつもりではない旨伝えたが入るように勧められ事務室に案内された。
事務所には、男性が一人だけその人が館長さんだった。
事務所脇の応接室で出してもらったお茶を飲んでいると館長さんが気さくに話しかけて来てくれた。

旅の事を訊かれたりこの小さな水族館の事や水族館で働き館長になった経緯などを話してくれた。
本州北限の大きな庄内柿を4つも御馳走になった。
楽しいひと時を過ごした後館内を見学させてもらった。
しかし、これと言って見るものも無く屋外のプールは、飼育されているアザラシが逃げてしまうのではないかと思う程で強風に煽られた波しぶきが吹き込んでいた。

来館者は、無料の私だけの様だった。
いつか時間が出来たらお礼がてら寄りたいなと思っているうちずいぶん年月が経ってしまったが、
ある時テレビでクラゲ水族館として大きく報道されているではないか。
驚いた。そしてとても嬉しくなった。
雨は、いつの間にか止み出発する時には、この先に有るユースホステルに宿泊の手配までして下さった。

田中真弥

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