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生産者日記

こころ野便り 農業について思う。再出発編 その6

出荷は、中央市場からこだわり野菜業者の方へ軸足を移していった。
業者と言っても立ち上がったばかりで京都市内の小さなこだわり野菜の八百屋を取りまとめそこへ野菜を卸す仕事をされていた。そこでは、農協や中央市場では出来なかった野菜作りに対する自分の本当の思いを話すことが出来た。嬉しかった。

徒歩の旅をしながら夢見た理想の農業に再びときめいた。
しかし、それとは裏腹に家庭の事情は、悪化していた。
自暴自棄に陥り不安が極限状態に達した弟が、深夜にとうとう爆発してしまった。
うろたえる父を始めて見た。「えらい事になってしもた。」と本気で息子である私を頼りにしている。

「俺を見くびってんのか!」と怒鳴っていた父とは、別人の様だ。
「何とかする。」と当てもないのに引き受けた。
先ずは、本家の仏壇に向かい錯乱状態で家を飛び出した弟の無事を祈った。
そしたら思いっきり泣けてきた。
弟のもがき苦しむ姿を想い、また父と母の苦悩が我がものとなりとめどなく涙があふれ大声を出して泣いた。

そばに居た叔母が「何が有ったか知らんけどあんたやったら大丈夫」と言ってくれた。
伯父も「山よりでかい獅子は出ん。」と言って今までに見た事の無い眼差しを私に向けてくれた。
ひとしきり泣いた後不思議と冷静に成れた。
直感的に取引を始めたばかりの業者の代表に相談に行った。

すると仕事の手を止め黙って話を聞いてくれた。
その後一人の助産婦さんを紹介してくれた。自然出産を手掛ける開業助産院の院長さんである。

田中真弥

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